すき・やき/楊逸(ヤン・イー)著

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すき・やき

「すき・やき」  楊逸(ヤン・イー/1964年中国ハルピン生まれ/87年来日)著
2009年11月25日 新潮社より単行本初版 ¥1300+税

 作者は日本の大学を卒業し、2008年に芥川賞を受賞し、日本に居を定めて活動している女性作家である。

 本書は「帯広告」にもあるが、15歳も離れた妹が日本に留学してきて、「初めてのバイトを経験したのが和食のレストランというより料亭のようなところ。初めて経験する着物の着付けに悪戦苦闘、スキヤキと焼肉とのあいだで恋心が芽生える」という展開の小説で、中国の女が可愛く思えるという、私にとっては夢にも思っていなかった暖かい物語。

 食材の運び方、客室への入り方、鍋や鉄板へ具材を置く順番、置いてピックアップし客の皿に配るタイミング、畳の部屋で客に挨拶しつつ膝を折って移動する方法、これらはほとんど仲居の仕事だが、中国人留学生がこういった和食料亭の仕事を覚えてアルバイトする姿というものを想像したことはなく、日本人一般にしてからが、今日では縁のないマナーとなっているわけだから、外国人の若い女性が苦労する様子には、ただ微笑ましいと言ってるだけではすまないものがあるような気がしてならなかった。とはいえ、そう思わせる点に作者の隠れた意図があるのではとの推測も成り立つ。

 主人公の若い女性が日本の大学でコミュニケーション学を専攻していたというのも、この作品を仕上げる上でのツボになっている。

 ひそかに憧れていた店長からようやく二人きりのデートを約束されたのに、店長には家庭があることを知って愕然とする姿は痛々しい。


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2 Responses to “すき・やき/楊逸(ヤン・イー)著”

  1. withyuko より:

     Hustlerさんは、世界各国に行かれて経験をお持ちですよね?外国(英米とか欧州とか)で、中国人の女性って、韓国人女性や日本人女性よりも美人だとされているんですよね?
    でも、中国の女性はあんまりお好きじゃないんですか?
     この本に出てくる中国人の若い女性はかわいいのですねっ。日本人女性も知らないような日本の作法を覚えるなんてスゴイですね~。和服を着る機会が少なくなっていますが、でも着物が好きな女性や、お琴や茶道などをたしなむひともけっこういるので、日本人女性も大丈夫だと思います。(私自身はダメですが)

  2. hustler より:

    中国人女性が日本や韓国の女性と比べて美しいと感じたことはありません。
    高校生の頃、中国に憧れていたためか、今は反動的に腹の立つことが多いですね。
    この本の主人公は創作された小説上の女性ですから、可愛いさを意図して書かれているのではと思います。
    コメントありがとう。

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