象の消滅/村上春樹著

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ぞうのしょうめつ

「象の消滅」 村上春樹著
ニューヨ-クが選んだ短編17扁  新潮社

 同じ著者の「ノルウェーの森」はふたむかし前の作品だったと思う。その本は当時ベストセラーとなり一挙にブレークした感があったが、私には読みはじめてすぐギブアップした記憶がある。

 こんどはアメリカ人の編集人がセレクトした短篇を、かれらが英訳し、それら作品を、著者が逆に和訳したものだというので、思い切って入手した。 外国の編集者は長らく文学書に携わってきた方々であり、日本文学だけでなく多くの外国語をも翻訳してきたつわものだと了解している。かれらがどのような作品に興味をもつのかというのも私にとって大きな関心事であった。著者が英語に精通し、堪能であることも明らかで、そういう才能にも興味を惹かれた。

 大変残念だが、はじめの4扁を読んで、飽きてしまった。私にはこの本のどこがどのようにおもしろいのかさっぱり理解できない。とはいえ、著者の作品は日本人に多く読まれているだけでなく、英語だけでなく他の外国語にも多く翻訳されて愛読する人が少なくない。

 このような場合、私は自分にこの著者を理解する力がないのだ、この著者はたぶん天才なんだと思うことにしている。本書にはまだ13扁もの短篇が残っているが、さいごまで読んだら、たぶん今年いっぱいかかってしまいそうだと思い、とりあえず、ここに私の正直な感想を記しておく。

 私は好き嫌いの激しい性格で、テレビで顔を見ただけで虫唾が走るような作家の場合、決してその作家の作品には手を出さないという偏屈さがある。だからというわけでもないが、村上作品は読んでいるだけ、ましなのだ。

 私の感想が村上ファンを傷つけたり、冒涜することのないように祈る。


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