ピラミッドへの道/大城道則著

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ピラミッドへの道

「ピラミッドへの道」 大城道則(1968年生/駒澤大学教授・考古学エジプト専攻)著
副題:古代エジプト文明の黎明
2010年7月10日 講談社選書メチエより初版 ¥1500+税

 本書はまずエジプト文明期の歴史を以下のように説明する:

 ●紀元前3000年前後に最初の王朝

 ●前2575-2125年古王朝時代はキザの大ピラミッドと大スフィンクスの建設

 ●前2010-1630年(中王国時代)は芸術と文豪の最盛期

 ●前1539=1069年新王国時代は古代エジプトの帝国主義時代、黄金時代、たとえばトトメス3世、アメヘテプ3世、ラメセス二世など強力な国王のもと最も権力を誇った時期

 ●前664-332後期王朝時代は最後の輝きをみせた時期

 その後、アレクサンドロス大王によって征服され、後にローマ帝国によって併合される。

 ピラミッドは人類によって知られた最も巨大な石像建築物、同時に最も謎の多い存在。

 本書の真骨頂は紀元前3千年に王朝が成立した経緯、そこに至るまでの過程、それにかかわった背景などについて、僅かにしか得られない資料をベースに最初の王朝以前の時代に関し大胆な分析を行い、想像を逞しくしたもの。そこにはメソポタミア文明、地中海世界、ナイル河北部の水源地以南に居住する人々、サハラ砂漠の変化などが挙げられている。現在は砂漠とはいえ、1万年前の北アフリカは湿潤に溢れ、リビアを含め、近隣との関係も深く、看過できないものがあるとは作者の言葉。

 中国が「夏」「殷」と呼んでいる時代など、中国人の顕示欲だけにベースした主張にしか思われないが、そういう古い時代、エジプトには巨大な文明が既に開かれ、さらに古い時代への推量に無理を感じさせない知性を感じさせる。


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