「川」三作/宮本輝著

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河三作

 「川三作」とは宮本輝著の「道頓堀川」「泥の河」「蛍川」の三作をいい、文学界では超有名な著作である。

 10年前に友人の紹介ではじめてこの著者を知り、首記の三作に接する機会を得た。文字通り、この三作に痺れた。私が小説に求める最大のポイントは「匂い」と「色」である。読後の脳裏に、「匂い」と「色」が鮮明に残るかどうかが鍵だといっていい。 三作にはその二つがきわめて濃厚に存在し、全身が麻痺するほどの感激と感動とを味わった。

 以後、同著者の作品を続けて20冊、読んだ。けれども、「川三作」で味わうことのできた快感はもうなかった。その時点で、この作者には「川三作」を超える作品は書けないのだと勝手に結論し、読み続けることをやめた。

 最近になってインターネットで調べてみると、著作が増えている。ばかりでなく、中国語にも英語にも翻訳されて海外でも名をはせていることを知った。

 主題の「川三作」が名作であることを重ねて強調しておく。


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