トーキョー国盗り物語/林真理子著

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トーキョー国盗り物語

「トーキョー国盗り物語」 林真理子(1954年生)著
1992年 集英社より単行本
1992年 NHKよりドラマ化
1986年10月28日 集英社より文庫化初版 ¥448+税

 平和な時代が長く続と、男が弱くなり、女が強くなるのは人類の避けられない一つのパターン、強くなった女性がよりよい男を得ようと必死に足掻き、努力する、今でいう「婚活」のハシリを時代にやや先駆けてテーマとした感性はさすがこの作者ならではの先見の明であり、そういう素地に裏打ちされたキャラクターといっていいだろう。

 この作品では三人のヒロインがお互いに助けあいながら、よい仕事と結婚という目標に向かって悪戦苦闘する様子を描いたものだが、現在でいう「男は草食動物、女は肉食動物」というイメージが彷彿とするような展開で、「トーキョー国盗り物語」というよりは「トーキョーいい男どり物語ゲーム」といった印象。

 本書の文章の大半は女同士の饒舌な会話文で占められ、それが男性読者にとって面白いのか否かは判らない。私はこの作者の作品に接するのは初体験、これまでは作者が雑誌や週刊誌にエッセイ風に書いた短い文に接しただけだが、そちらの方がペイソスもあり、洒落もあり、ユーモアもあり、話が生き生きとしていて、はるかに面白かった。

 本書の延々と続く饒舌には次第に辟易したことをあえて正直に申し上げておくが、おそらく小説中の会話は必然的に長くなり、くどくもなって鼻についてしまうからだと思われる。とはいえ、女同士の饒舌会話による表現力はこの作者の特別の才能ではあろう。


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2 Responses to “トーキョー国盗り物語/林真理子著”

  1. withyuko より:

    林さんが女性誌のコラムに、みんな今頃”婚活”って騒いでるけど私は昔からやっていたわよ!って書いてらっしゃいました。
    Hustlerさん、さっすがです!
    でも、あんまりお好きなジャンルではないですよね?こういう本って。。。

  2. hustler より:

    withyukoさんのご指摘の通り、私の好みではありません。

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