風の王国/毛利志生子著

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風の王国

「風の王国」  毛利志生子
2004年6月10日  集英社コバルト文庫初版  ¥514+税

 タイトルに惹かれ書店経由取り寄せたのだが、漫画の表紙に超ビックリ。

 さらに驚いたのは、内容が唐の時代の中国とチベットの話だったことと、もう一つ、文中にときどき現れる漫画の絵と文章とのあまりのギャップ、つまり文章が表紙から想像される軽さとは程遠く、しっかりしていること。

 物語の内容は、著者の「あとがき」によれば、史実をベースとしていて、著者は学生時代チベット語を勉強したとのこと。とはいえ、いくら大昔の話とはいえ、魔術師までストーリーに加える必要はないのではないか。正直いって、魔術師の存在をストーリーが新しい局面に変化するときに使うことによって、ストーリーそのものが嘘くさいものに彩られる結果を導いているような気がする。換言すれば、魔術師を書くことによって本書のよさを毀損したように思えるということ。

 帯広告に「いやし系男子に心トキメキ」とあり、女性を読者に想定しているらしいことが解るが、内容も確かに女性中心で、男性は主人公の引き立て役に徹している感が強い。

 堅実で、硬質な、いわばハードタッチな文章と、ソフトタッチな漫画の絵とが馴染まず、その乖離感が最後まで拭えずに残ったことで、作者がなぜコバルト文庫を選択したかについての疑心も消えなかった。

 この感覚は世代の違いからくるのかも知れない。


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2 Responses to “風の王国/毛利志生子著”

  1. 『風の王国』ってありましたね。
    これも、風の一族というのが主人公で・・・
    舞台は現代なんですけど。
    こっちも面白そうですね。
    なかなかコバルト文庫までは手が回らないですが^^;

  2. hustler より:

    いつもぺタありがとうございます。
    本書の内容は「風の王国」というタイトルから予想した内容とは全く異なっていて、その点ではがっかりでした。

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