小惑星探査衛星「ハヤブサ」の帰還

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ハヤブサ

 ハヤブサが小惑星探査衛星であり、地球と火星のあいだを周回する「イトカワ」まで期間にして2年、距離にして3億キロにわたる旅をするために5年前に発射されたことは以前から報道を通して知っていたし、その目的が46億年前の惑星組成の鍵となる岩石の採取にあったことも知っていた。

 とはいえ、目的地であるイトカワに至って岩石採取のために着陸を試みたものの、岩石をピックアップするという目的を果たしたか否かを確定することができぬまま、着陸時の衝撃の影響で燃料漏れを起こし、姿勢が崩れ、ために通信途絶、以後しばらくは行方不明となった。

 地球側から交信を試みる努力を継続した結果、幸運にもハヤブサの位置を確かめ得たものの、直後にイオンエンジンが破損をきたし、エンジンを繋ぐという信じられないような手段が効を奏して、帰還が可能になったと聞く。何度かの奇跡に助けられたともいっていいだろう。そのため、予定より1年ほど遅れての帰還ともなった。

 一昨夜、オーストラリアのウームラ砂漠に落下するハヤブサが大気の抵抗を受けて輝きながら燃え尽き、カプセルがパラシュートとともに地上に到着する映像は感動のひとときだった。

 カプセルがイトカワの岩石なり石なり砂なりを採取できているか否かが判明するのはまだ先のことらしいが、小惑星から情報を得る目的で、3億キロの距離をイオンエンジンという僅かな燃料で飛ぶ衛星を開発し、往復させた例は初めての快挙であり、日本の誇る技術であった。ちなみに、「イトカワ」という惑星の名も、日本の天文学の博士、糸川士からの命名だ。

 今後の問題は、民主党による仕分け作業で、同じ人工衛星への可能支出金額が激減し、宇宙産業への展望が描けなくなりそうなことである。私はこの事業の継続を無駄遣いだとは思わない。「二位でいい」とも思っていない。


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