「Yes,We can」は微妙

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書評:ためいき色のブックレビュー-オバマ

 「Yes,We can」は微妙

 アメリカ発の金融恐慌が世界を席巻、蹂躙している現状下、新大統領の就任演説を世界中が期待をもってTVに見入った。当然ながら、世界各国は一様に貿易の落ち込み、ドルの下落に悲鳴を上げている。オイルの高騰で大儲けしたオペックの面々も例外ではないし、ダイヤモンドで潤う南アフリカ連邦も例外ではない。

 空前絶後の経済危機を露呈するなか、アメリカ的資本主義の終焉を示唆する専門家が少なくない。アメリカの金融機関は、世界一の大銀行である「City Bank」の株価が3ドルという株式市場の歴史のなかで前例のない状態が続いている。

 こうした最悪の状態を打開するための方策をオバマとその閣僚はどう展開していくのか? 単に、ただの紙片と化したドル紙幣をごまんと印刷してアメリカ企業を救出するだけであったら、ドルは歯止めのない下落に落ち込み、その尻拭いがユーロや日本円に回ってきて、下手をすると、これまた史上空前の円高、ユーロ高を誘発することになるのだとしたら、我々は「No,We Can’t follow you」とはっきり言うべきであって、これまでのようにアメリカの指示に唯々諾々の姿勢とは縁を切らなければならないだろう。

 オバマがイスラエルに対しどのような態度を示すかにも、私は強い関心を抱いている。アメリカだけでなく、世界の金融はユダヤ系の人間に牛耳られ、ユダヤ系アメリカ金融業者は多額の賄賂を使い、政治献金を行い、経済的な背景を利用して、これまでアメリカの大統領をはじめ、閣僚たちにプレッシュアーを与え続けてきた。

ために、イスラエルへの支援は、中間にパキスタンという核と縁を切らない国をはさんでいることもあり、破格ともいえるレベルに達し、イスラエルはアメリカが製造した最新の兵器を悉(ことごと)く所有している。過去に二度にわたり、エジプトがイスラエルと干戈(かんか)を交えたものの、エジプトはあっさり敗北し、以来、イスラエルとは平和協定を結んで、戦争することをストップしたが、その代わりガザの要望に応じて地下通路で往来できるようにし補給基地として援助してはいるが。

 欧州をはじめ世界がイスラエルに対し自粛を要請している実態にそっぽを向いてきたのが前大統領、ブッシュと閣僚たちの基本的な姿勢だった。オバマはどのような対策を用意しているのか、オバマが就任を懇願したクリントンの妻、ヒラリー議員に外交を任せた事実は何を示唆しているのか、また、ヒラリーが適切で妥当な人選だったのかどうかにも疑問が残る。ヒラリーは一時、中国からの金銭的バックアップを受けたことで、国民から顰蹙を買った前歴もある。政治家は例外なく金に汚い。

 今後、オバマの採る手法に眼に見える変化が起こるか否かがキー・ポイントになるが、ユダヤ金融の圧力を、もしオバマが跳ね返すことが出来たら、そしてアメリカが「世界警察」を気取るのをやめたら、私もオバマフアンになってもいい。

 アメリカ庶民のオバマへの期待が大きいことは確かだが、期待が過剰であるがゆえに、期待に添えないことが明らかになったら、その反動はなまじの反動ではすまないことをオバマ自身、認識しているはずだ。しかも、試行錯誤している時間はない。就任と同時に、山積している諸問題を片っ端からかたづけ、アメリカ的自由放任主義の市場を即座に変えていく仕事は生易しい仕事ではない。アメリカも日本同様、利権にぶら下がっている政治家や官僚はごまんと存在する。

 金融機関を援助し、Big Threeを支援し、リストラされた大量の非雇用状況を改善し、化石燃料依存に歯止めをかけて地球温暖化に配慮し、金融市場や投機相場の自由放任主義に一定の制限を設け、格差社会を是正し、これまで敵対する相手に容赦のない攻撃を加えてきた手法を、テロの危険を回避しながら、どう外交手法を変えていくのか、国内には必ずしも、彼の実践計画に全面的に賛成する人間ばかりがいるわけではないことも考慮に入れておく必要がある。

 その上、初の黒人大統領には、これまでにない暗殺の危機が恒常的に存在することが予測される。警備態勢にもこれまでの大統領にはない配慮と厚みがありはするが、私はオバマが暗殺されないことを切に祈っている。

 今後とも、「Yes, We can」と言い続けていられるのか、今後のオバマの政策、閣僚の選択が適切であったかどうかが試されることになる。世界が最大の関心をもって、オバマが展開するであろう政治手法を凝視していることを忘れてはいけない。


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One Response to “「Yes,We can」は微妙”

  1. 忍武 より:

    コメ有難うございました。
    今後の日米貿易に注視。
    関税を含めての展開は円高がどのような
    影響を及ぼすのか政治決着も見物。

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