荒ぶる地球

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書評:ためいき色のブックレビュー-ニュー

 (写真はパプアニューギニア)

 「荒ぶる地球」

 新年早々(1月4日早朝)、ニューギニア近海でマグニチュード7.5の地震があったこと、遠く日本の太平洋沿岸に津波が押し寄せていることが報道されていた。

 いうまでもなく、日本列島、台湾、フィリピン、インドネシア、ニューギニア、ニュージーランド、ガラパゴス、南米のアンデス山脈、中央アメリカ、メキシコのユカタン半島、ローッキー山脈、アラスカ、アリューシャン列島、千島列島、カムチャッカは、プレートは異なるものの、いわゆる環太平洋火山帯を形成している。

 報道に関心をもち、耳目を傾注していたが、小笠原の父島に最大で40センチの津波があったという事実があるとの報道から、現地からニューギニアにより近い外国ではどういう状態なのだろうかと、そうしたニュースを心待ちにしていたが、報道は国内に集中するばかりで、一向に海外状況について触れることはなかった。

 想起されるのは、「喪失の国・日本」(2008年12月書評)を書いたインド人の日本滞在記で、「日本をアジア報道のセンターだとばかり思っていたが、インドのことなど新聞記事に出ることも、TV放映の対象になることもなかった」と嘆いたことだ。

 どの民放も同じような内容の番組ばかりやっているのだから、一局くらいアジア、あるいは海外専門のニュース番組にしてくれたらと思うのだが。

 今回、地震が発生した地域からより近い、パラオ諸島、フィリピン、セレベス、ボルネオ、キリバス、ミクロネシア諸島、マーシャル諸島などではどのような影響を受けているかに関し、全く触れることがなく、インド人が指摘した通りの報道になっていることを、あらためて納得せざるを得なかった。

 同じことは、台風の襲来時にもいえる。フィリピン東海上で発生した台風が沖縄の南の離島を通過するまでは執拗に追跡報道していたNHKニュースですら、通過した台風が台湾や中国広東省をめがけて駆け抜けるや否や、台湾や中国での台風の様子や被害に関しては視野から外してしまい、関係ないとばかりに、報道をストップしてしまうことだ。少なくとも、私には見過ごせないという心地とともに、その後の台風の被害に関し、たとえそれが海外であっても、強い関心がある。

  ようやく、インドネシアで死者が出たとの報道があったのは、午後2時を過ぎてからだった。ニューギニア島は東半分がパプア・ニューギニア、西半分がインドネシアに属する地域だが、この報道ではインドネシアのどこで死者が出たのかは不分明だったが、午後3時のニュースでインドネシア側のイリアン・ジャヤの北部マノクワリという都市で倒壊が起こり、そこで死者が5人出たことと併せ、地震は二度起こったことが判明した。

 ちなみに、パプア・ニューギニアの首都、ポートモレスビーは南西部に在り、世界でも殺人が最も多い都市(南アフリカのヨハネスブルグと並んで)の一つであるが、今回の地震発生地とは距離的に離れている。

 私が昨年「毒矢」についての書籍を紹介した折り、「ひょっとして著者のお孫さんをご存知ないですか」とのメーッセージをくれた方はオーストラリアの首都、キャンベラに居住しながら、毎週ニューギニアに通って何かの調査をしておられる日本人学者だった。地震が起きたとき、現地の近くにいなかったことを祈るばかり。

 この報道があって、数日経過した1月10日には、中米のコスタリカで大地震が発生、道路に亀裂が走り、寸断され、観光客の訪問が多い国だから、現地人も観光客も、あちこちで孤立状態に陥っているとのことだった。また、これによる津波の発生や影響については報道されていない。チリー地震のときの津波による被害が想起される。

 1月13日にグーグルで検索してみたら、15人が死亡との人的被害が伝えられていたが、日本の報道機関がコスタリカの地震について追跡調査をした気配はない。日本のTVはあまりにも海外を映さな過ぎるのではないか?


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