アメリカが試されている

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  「アメリカが試されている」

 かつて、日本でバブルが崩壊したとき、日本政府は大銀行を対象に国税を注入することで、バブル危機を辛うじて乗り切り、順調とまではいかないが、経済はそこそには動くようになった。

 その折り、アメリカは日本政府が採った処方箋をせせら笑った経緯がある。今度は、そのアメリカが発進源となって、世界中に金融危機をもたらしている。果たして、アメリカはどうやってこの危機を乗り越えようとしているのか。アメリカがこければ、その影響は世界に及ぶ。アメリカが復活しない以上、世界はこの危機的状況を克服し、這い上がることは不可能。現実に、下院を通った法案レベルでは、一応、世界の株価は多少上昇しはしたが、この程度の金融機関へのバックアップでは、ドルの威信を回復するに至らぬばかりか、世界を巻き込んだ金融危機の回復と再構築までは期待できないだろう。

 投資も投機も初めはユダヤ人が案出した資本主義的手法だが、「デリバティブ」などという途方もない倍率の投機資金を弄(もてあそ)び、富者と貧者の格差を拡大し、「自由競争を尊重する」という美名のもとに今日までそれを継続させたアメリカ主導の経済が瓦解する寸前のところまで追い込まれている。

 なお、困惑させられるのは、農産物の供給国であるアメリカの農民が、中国の経済力が伸びるに従い、食材の値を上げてきたことで、世界各国の台所を自分の所有する農産物に依存させ、他国の農業就労者を他産業に追いやっておきながら、貧しい国への供給を停止してしまったことだ。高くても買ってくれる国があれば、利益を重視するアメリカ的社会で生きる人間にとって、それはごく当たり前のことらしいが、「弱者を切り捨てる」という意味では、投機と同じであり、こういう手法を許してきたことが、サブ・プライムローンに端を発した金融危機を招いたことの認識と反省をせずに、アメリカの復活はないと私は思っている。

 アメリカの農産物を日本に買わせるために、日本の政治家は日本農家に減反を強いた経緯があり、その分をアメリカからの輸入に切り替えて、アメリカのご機嫌をとった。そういう事実があるのに、農産物からメタノールが採れはじめると、日本への玉蜀黍や大豆なの輸出を即座にストップする自国中心の横暴さには従う必要はなく、日本は自給自足体制を再構築すべきではないだろうか。

 温暖化の深刻な進行、食材の偏向に加えての金融危機である。アメリカの次のお手並みを拝見と座視する以外に、他国には手段はなく、個々にできることは僅か。

 言葉を代えれば、人類の知恵が試されていると言えるのかも知れない。

  


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