世界は社会、経済、金融すべての変革を要求している

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

地図

 

 「世界は社会、経済、金融すべての変革を要求している」


 冷戦が終焉を迎え、ソ連邦が崩壊したとき、私は「資本主義」「自由市場主義」が人類が達した最高の社会形態だとは思っていないと、このブログに明言した。


 予測した通り、世界は今や大幅な変革なくしては、アメリカのサブ・プライムローンに端を発した恐慌から脱し得ない状況にあることを示している。状況の悪化は、米国の元金融の責任者であるグリーンスパンが「一世紀に一度という惨憺たる状態」と発言したが、そうではなく、「過去に人類が経験したことのない深刻な事態」だと、私は思っている。


 たとえば、石油の価格が投機により実態経済から大きく離れた価格まで暴騰したり、米国の農産物に依存して生きてきた他国が売値の暴騰によって、輸入できなくなったり、EUが玉石混交の国が集まっているために未曾有の危機を迎えたり、レアメタルで世界一を誇るオーストラリア通貨までが暴落したり、中国が安い通貨、元をベースに毎年、大幅な経済成長を成就したり、世界中の株価が乱高下したり、こうした状況を我々が経験するのは初めてのことだ。


 さらには、日本の円だけが対ドルで95円をつけるなど、高くなっているのに比較し、他国の通貨はすべてドルに対し下落しているのも不思議な現象というしかないが、今後為替は目の離せない対象となるだろう。円高がさらに続けば、日本の企業の多くがダメージを受ける。

 

 だいたい、為替というものに、私はかねがね、その有効性に疑問を感じているし、為替にはマジック的な側面がついて回ると思っている。各国がそれぞれ異なる通貨をもち、恒常的に為替変動に委ねられ、現実に存在するレートとして通貨交換が行われる以上、それに一喜一憂するのは当たり前だ。


 たとえば、1ドルが100円のとき、100ドルは1万円に相当するが、100ドルがアメリカで何が買えるか、1万円で日本で何が買えるかを比較すれば、明らかにアメリカにおける100ドルの方が購買力は強く、価値は高い。通貨が投機の俎上に載っている限り、こうした一見、理不尽な変動がくりかえされる。 

 Exchange RateはドルがもつBuying Power と、円がもつBuying Powerの実勢パワーとは無縁に決められ、各国とも、無条件にこれに従わねばならなくなる。こういうことにいつまで悩まされなければいけないのか、私には不可解と言う以上に、為替に関し新しい提言が出てこないことに不可思議な思いが拭えない。仮に、世界が同じ通貨を使うようになれば、為替に振り回されることはなくなるし、安定した輸出入が可能になるだけでなく、各国内の物価も安定する。


 今や、世界中の国が必死になって状況の回復を目的に、金融機関への介入や支援を開始したが、それだけのことで目的を達成できるとは到底思えない。アメリカ主導によるアメリカンスタイルの社会、経済、金融そのもののあり方を根本的に変革しない限り、この重篤な病状は快癒しないであろう。


 ドルを機軸通貨にしてきた世界経済は終わりつつある。つまりは、金融のあり方自体が問題を含有していたわけであり、ただの投機からデリヴァティブ手法にまで至ったやり過ぎの「金銭至上主義」と「投機主義」と「自由放任主義」から離れない限り、この深刻な状況は終焉を迎えることはないだろう。


 バンキングにせよ、株式市場にせよ、相場を中心とする投機にせよ、これらはユダヤ人が考え出した金儲けの手法の一つであり、サブ・プライムのおかげで、投資も投機も予測を越え、これを購入していた国は結果的に株価は乱高下をくりかえし、日本政府は安くなった銘柄を一時的に買い取り、これをプールしておくことで、これ以上の下落を抑止する政策を発表したが、どこまで効果を発揮するかは、誰にも判らない。空売り空買いで売り浴びせ買い浴びせをすることを考えている資本家も投資家もいるだろう。


 発展途上国を含め、多くの国の責任者が北京に集まって、この金融危機をどう乗り切るべきか、互いに金融面で支援しあうことを話し合っているが、肝心のアメリカはこの会議に出席していない。アメリカという国はこれまでの機軸通貨だったドルの威信を回復させ、世界に冠たる地位を失うまいと必死のところだが、国内の金融機関、証券業、GMやクライスラーやFORD、いわゆるビッグスリーの破綻や瓦解を食い止めるのに必死で、他国に及ぼした深刻さに関しては冷淡である。アメリカ主導主義に従ってきたこと、アメリカンスタイルの市場開放や投機歓迎の姿勢に問題があったことに、世界の賢い国は既に気づいている。


 要は金融の仕組みを人道をベースに変えることではなかろうか。世界は、金儲け主義と、成果主義だけでは社会を円滑に組み立てることは不可能なのだ。



前後の記事

現在はコメントを受け付けておりません。

サブコンテンツ