「恐慌前夜」のその後2

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ゴールドインゴット
(上記写真はゴールドインゴット)

(2008年9月19日に書評、同年9月25日に「その後1」)

1)アイスランドは元々漁業と観光で生計の糧を立てていた国だが、ある時から海外投資にのめり、これが当座成功して、未曾有の好景気を現出したが、サブ・プライムローンを大量に購入していたため、焦げ付きが極度のレベルに達し、株価は89%以上の下落となり、国家破産という惨めな結果を招いた。欧州各国の証券業社にもアイスランドが組み込んだ投資信託を売り出した業者もおり、投資金は返却の見込みは立っていない。被害者は日本にもいる。

2)欧州の一部政府は金融的支援を積極化し、金融恐慌に対応したが、EU全体は玉石混交であり、EU加盟国が一致して、経済の建て直しに邁進できるかどうかには未だに予測不明の側面がある。欧州はいずれにせよ、ユーロー圏における各利害国の状況次第での相互監視に繋がる相互扶助は考えられる。

3)東南アジアでは韓国が率先して、対策に奔走している。

4)世界は同時に株式市場の凋落を示した。

5)為替は日本の通貨、円だけが独歩高を示し、結果、各国から日本へマネーが集中したにも拘わらず、株価には反映されなかったが、9月29日からの株価水準の訂正には寄与していると見たい。また、本日の連続高は乗り遅れまいとの心理が働いていると思われる。来年に入っても、株価の乱降下は止まらないだろう。円は一時、80円台の前半まで上昇。70円台への突入も充分にあり得る。

6)本書の作者は金(ゴールドインゴット)を買って4,5年も経てば二倍になると言明しているが、本書が出版する直前まで1グラムにつき¥3,220だったのが直後に¥3,000に落ち、一時は¥2,381まで価格下落したが、昨日のアメリカ株価高から、日本円が下落し、金価格が為替に絡んでいる関係で、¥2,500まで戻している。ドルが持ち直し、円が安値になれば、金価格は上昇に転じるだろう。ただ、注意しなければいけないのは、金の価格は常に為替が絡むことだ。(ゴールドインゴットの現物売買単位は最低500グラム、先物取引会社によっては1キロ)。また、インゴットの価格が一時的に下落したのは、資金手当てを急務とした企業や個人がとりあえず売りに出て、換金し、多くは操業に充てた可能性も否定できない。売り物が一段落すれば、あとは上昇の一途という見方もある。

7)日本政府は新たに世銀への貸付として10兆円を資金援助として用意したことを発表した。空売り空買いにも規制をかけ、ドルが反発し、円が若干安くなったために、株が上昇したものの、金融問題が全世界を巻き込んでいる現状に変化はなく、かつて日本がバブルを経験し、それを乗り切った手法がそのまま即座に生きるほど、ことはたやすい局面ではなく、一朝一夕に世界経済が回復することはあり得ないと思われる。

8)産油国の湾岸諸国にとって影響は軽微との指摘があったが、石油を売って入手したドルを外国の株式投資に振り向けた国もあることが憶測される。とすれば、世界中の国の株が平均して70%も下落している以上、影響が軽微とは言い切れないのではないか。

9)何よりも、アメリカの新大統領が誰に決まるかが大きな要素になるはずで、新大統領の采配次第で、世界への影響は強く顕現化するだろう。(オバマはこうした状況を改善するには不向きな人材だとの評価もなくはない)。

10)今後の世界経済がどういう傾向を示すかは未だ不分明であり、予断を許さない。


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