「恐慌前夜」のその後3

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1.Citi Bankは公表されていないが、連結決算すると、110兆円規模の損失があるとの情報が流れている。現実に、日興証券と立ち上げた子会社の売却を決めたとの報道がある。(同社は日本政府との間にペイオフ契約をしているため、預貯金の1千万円までは保証されている)。

2.イギリスでは、不動産の差し押さえが1.5倍に増えた。フランス政府は3兆円に及ぶ景気刺激のための資金投入を発表。

3.日本でも、これまで隠れていたサブ・プライム・ローンへの投資事実が明らかにされているが、2009年の春までに3万人が仕事を失うだろうとの推計が発表された。現実に就職内定者に対するキャンセルが既に300人を超え、さらに増える傾向にある。(仕事を失う労働者が3万人のレベルで止まるか否かは大いに疑問)。

 日本の製造業は22.4%の売り上げ減少と報道されている。上場企業の株価は低迷のまま。投資家心理としては、先行きへの懸念が強いことを示している。販売実績の減少はメーカーによって明暗が分かれるだろうし、円高がそのまま推移すれば、輸出企業にとっても下請けにとっても損失は並みのレベルでは落ち着くことはない。

4.アメリカの「Big 3」が政府援助を受けられるか否かは、微妙な段階に入っている。国民の57%が税を使っての支援に反対しているが、政府による支援は市場の自由放任主義を貫いてきたアメリカ的資本主義に反するという思想が背景にあるからだと言われる。 

5.ブランドものやガソリン価格が下落しているが、ガソリンはアメリカをはじめ投機の行き過ぎを、(空売り、空買い)に規制をかけたためであり、ブランドものの価格下落は欧州通貨に対して円が高いからで、いつまで安価が継続するかは不分明。さらに、ブランドもの(カルティエ、ヴィトン、ティファニー、フェラガモなどが含まれる)も売り上げの大幅減にぶつかり、今後の動きは予断を許さない。(手持ちのブランド製品を売りに出ている客も増えている)。

6.新日石と新日鉄HDの統合が発表されたが、前者はエネノス、後者はJOMO、国内のガソリンスタンドの過当競争を抑止する効果をもつが、消費低迷に起因して過当競争に陥る状況は他業界にも波及する可能性が、スーパーやファミレスがそうであるように、否定しがたい。石油やガソリンに関しては、言うまでもなく、中近東が平和を維持するか否かにかかっている。

7.いすず自動車が大量解雇を発表、その数は1,400人に昇り、さらに、優良企業の一つ、キャノンの大分支社が1,000人の解雇通告をし、ホンダが760人の人員削減を発表しただけでなく「F-1」事業からの撤退を表明。(後にトヨタもこれに追随)。野村ホールディングズは米国のリーマンブラザースの米国以外のネットワークを引き受けたものの、欧州では大量の馘首を予定している。

8.アメリカの代表的な大学、ハーバードが基金運用悪化で、7500億円相当の損失を公けにしたばかりか、バージニア大学も損失を出し、日本では駒沢大学が同じような状況に陥っているとの報道があり、恐慌は教育界にも及んでいることが露わになった。

 以上、先行きに明るい兆しは全く見えてこない。

 来年はバブルがはじけた時以上の深刻な不況が始まりそうだが、そのことは犯罪の多発にも繋がるだろう。


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