「恐慌前夜」のその後5 馘首の嵐

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馘首の嵐

 連日のようにテレビ画面で、馘首され、行き場を失った人たちの怒りの声や団体交渉などが伝えられているが、企業が好んで馘首に精を出しているわけでないことは、だれにも判っている。

 企業は経営体であり、恒常的に存続を賭ける運命にある。

 世界が金融恐慌の嵐のなかで、製造しても買い手が不在という実態がある状況下、最善を尽くす以上、不要な労働力を削る手に出るのは当然すぎる手法ではあるが、私が知りたいことは、これまで雇ってきた人を切る以上、企業が最善を尽くしてきたのかどうかということ、たとえば、役員報酬をカットし、雇用を継続する社員の給料もぎりぎりまで削った上での馘首なのか否か、これまで想定外だった海外への展開の可能性も考えたのかどうかということだ。

 経営側に立つ人間がこれまでと同じように高い給料を手にし、底辺にいる人間を紙くずのように捨てるだけというのでは、だれだって納得はできまい。

 ただ、企業も必死な環境のただなかにあることは事実であり、単純に雇用の継続を強制すれば、倒産は確実で、そうなったら、元も子もない。

 一方、解雇や賃金カットが日常化し、非雇用者の数が増えれば増えるほど、社会不安は増大、犯罪も増えるだろう。政府による抜本的な対策が示されないと、国民は不安の渦中に置き去りにされ、恐怖に苛まれるばかりである。


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