気候変動は「待ったなし」のレベルを超えている

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北極海

 「気候変動は『待ったなし』のレベルを超えている」

  北極海の氷は溶け、シベリアの永久凍土は溶けだし、海水面は上昇の一途、南太平洋に浮くツバルはいまや水没の一歩手前。ツバルが水面下に消えれば、世界の沿岸地帯で海抜の低いところはすべて地図から姿を消し、世界的に陸地面積も激減する。

 世界で二酸化炭素を撒き散らす最悪の国がアメリカと中国。

 外国から頭脳集団を、優秀な科学者を金でピンポイントでピックアップするアメリカが無知で、状況判断に疎く、バカばかりということはあり得ない。偏に、政権が二酸化炭素を撒き散らす企業の利権を保護するために、二酸化炭素削減の目的に沿った同意を示さないからで、中国のこの問題に関する無知蒙昧とは、理由も質も違う。一定の個人と一定の企業を守るための、世界中を犠牲にしても恬(てん)として恥じぬ精神、無神経に問題の根がある。(もっとも、日本の政治家も票田のために働いている印象は拭えないが)。

 世界に例を見ない膨大な人口を持つ中国、インドが、これまでのように無知蒙昧に終始するか、認識を新たにして、二酸化炭素の問題に真剣に対応するかは、わからないが、この二国が真面目に着手したときは、すでに手遅れである公算が高い。そのうえにロシアは石油や石油ガスを売らんがためにサハリンはもとより、カスピ海沿岸にパイプの敷設に余念がないという状況がある。とはいえ、中国のように、自国のなかの砂漠化が拡大し、産業廃棄物や施設の整わぬ鉱山や石炭鉱での大量死からも、地球上への悪影響について認識する機会がなくはない。いや、そう思いたい。

 西部の砂漠が一層拡大し、毎年春になると、風に乗って膨大な黄砂が朝鮮半島を経て日本各地に降り注ぐ。この時期、北京などはガラスが砂が積もって、視界が利かず、運転がまともには出来ない。最近では、10センチほどは市内に積もると仄聞する。中国政府はこの「黄砂」と「産業廃棄物の垂れ流し」のニつの問題を早急に解決するよう努力すべきで、海外に地下資源を求めて走り回っている場合ではない。

 問題は、陸上でしか状況を判断しない杜撰な科学者の目といっていい。

 地球の環境破壊はすでに海中で早くから始まっているし、今この時点でもとどまることなく進行している。

 北極海の氷が溶け、地球上の海面が上昇していることは誰もが知っているが、赤道の海中生物が亜熱帯に移動し、亜熱帯の生物が温帯へ、温帯の生物が寒帯へと移動している事実、世界のサンゴ礁の海が白化現象を起こし死滅しつつある事実などは、ちょうど肺気腫(COPD)寸前の人間が青い痰を吐くようになり、喘息に似た咳き込みをするようになって、みずからこれ以上煙草を吸うのは体がいやだと告げているのとまったく同じ危険信号を発していることに気づくべきだ。

 世界中の暖海に育つサンゴ礁は地上の植物と同様、二酸化炭素を吸い込み、酸素を吐き出す生物で、それも地球上の酸素容量の維持に寄与していることを忘れてはいけない。言うまでもなく、海中に酸素が欠乏すれば、魚介類は生きていけない。魚介類が入手できなくなれば、即座に食料危機という難局が待っている。

 陸上の果樹が季節を誤認して咲きはじめてしまうように、海中でも、季節を間違えて、産卵を始めてしまう例は枚挙に暇がない。また、海中の変異を知らせる速度、伝播は地上よりもはるかに速いことも知っておくべきだろう。

 

 あくまで、私の個人的な推測だが、気候変動の問題は「待ったなし」というより、すでに「手遅れ」の段階に入っているように思われる。地球が産み落とした最悪の生き物がみずからの母胎を破壊しつつあるのが現段階、認識していてもやめられずにいるといったところだろう。人類の知恵がこの危機的状況をOvercome(乗り越える)ことができるか、人類の生存というより、人類が22世紀を迎えることができるかは、誰にも判断できない。

 現に、地球のあちこちで砂漠化が始まっている。中国は産業廃棄物の処理に真面目に取り組まないから、森林地帯に降る酸性雨は中国のみならず、いずれ世界的に拡散するだろう。辛うじて残る森林も乾燥によって山火事が増えるに違いない。結果は、大気中の酸素濃度が激減するだけでなく、大気そのものが汚染され、世界中でバタバタと人が呼吸困難に陥って死ぬだろう。そういう状況が露わになってから慌てて環境の浄化に努めても遅いということだ。私の想定では、この「遅い」ポイントにたどり着かないと、人類は本気で環境問題に取り組まないだろうということである。この半世紀内に、問題は現実味を帯び、世界のリーダーらを周章狼狽させることになる。そういう末期的様子が目に見える。とすれば、「少子化」は正しい選択ということになる。

 


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