傾聴するに足るドイツ人、テオ・ゾンマー氏の意見

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ドイツ

 テオ・ゾンマー(Theo Sommer)氏はドイツのツァイト紙の元編集主幹。
(写真はドイツの森林地帯の白化現象の航空写真)

 今朝の朝日新聞に論説を寄せているが、きわめてまともな考え方である。

 我々はいま「この世の関節が外れてしまっている。なんの因果か、それを直す役目を押しつけられている」と、シェークスピアの言葉を引用して、嘆く。

 「現今の世界は、昔と比べて、ずっと混沌として危険な場所になっている。

 ベルリンの壁が破れたときに、フランシス・フクヤマが予測した『歴史の終わり』や『平和と民主主義と資本主義の究極の勝利』の代わりに、紛争と無秩序がはびこっている」。
この意見には、私も同感で、本ブログでも指摘したことを覚えているが、東西冷戦が終わったことと民主主義、自由主義、資本主義の勝利とが同義だとは思わなかったし、この三つの主義を包括する世界が、人類が達した最高の社会だと思ったこともない。

 「中東における『衝突の文明』の背後で、サミュエル・ハンチントンが予言した『文明の衝突』が地平線にぼんやりと顔をのぞかせている。テロリストの聖戦戦士たちの激情が、拡張的な共産主義のイデオロギーにとって代わり、世界の混乱の主要因となった。」

 「軍事力によって民主主義を輸出しようという米国の試みは手ひどく失敗した。同時に、資本主義の秩序は、伝染していく強欲や不合理な豊かさと社会的無神経といった資本主義に固有の過剰さで混乱している」。

 文明は多様であり、それぞれの民族がそれぞれ異なる土地を舞台に多種多様な生活習慣とルールと文化とを花開かせてきた。旅の楽しさ、面白さも、異質ものへの接触にあり、だからこそ人間が持っている好奇心を満足させてもくれる。それを、一国の主義主張で地上を一括しようとする姿勢そのものが気違いじみている。

 コラムを埋めたドイツ人の私見には考えさせられるものがあり、それが本ブログで紹介した理由。


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