アメリカ体験記「カウンセリングの仕事」

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 カウンセラーは日本にも僅かながら存在するし、活動もしているが、アメリカの実態と比較すると、「未だし」の感が拭えない。

 私のアメリカの知己の奥さんの祖先はスウェーデンからの移民だが、穏やかな女性で、アメリカ女性特有の自己主張があまり見られず、カウンセリングを仕事としている。

 聞いてみると、彼女が相手とする患者には圧倒的に若年層が多く、そのうちの大半が育った家庭に問題があり、ある一人は父親から虐待を受けた、ある一人は両親が麻薬に溺れていたときに生まれ、その影響かどうか、話していて突如暴れだすことがある。カウンセラーとしては、黙って、かれら一人一人の話を聞いてやるのが精一杯で、相手にもほとんどアドバイスを受ける余裕がない。

 そういった事情は、アメリカでも、カウンセラーになろうという人がいても、実態を知るにつけ、やめてしまう人が多く、ちょうど日本の介護ヘルパーに事情が似ている。また、苦労が多いのに比較して、報酬が少なく、いわばボランティア感覚をもっていないと続けられない仕事であるとも、私の知人は言う。

 彼女は毎日、ほとんど疲労困憊して帰宅するが、この仕事を辞める気はないと言うが、それには自分の弟がかつて自殺したという悲惨経験があるかららしい。

 日本国内の老人介護の仕事からの報酬ではメシが食えないという理由で多くの人が転職していき、こうした実態に対処すべく、日本政府はフィリピン人に加え、インドネシアからも1千人を呼び寄せて語学から勉強させ、日本の老人介護の仕事に携わってもらう企画を立てた。彼女ら、あるいは彼らは大家族で暮らしているため、祖父母との生活はあたりまえで、老人との接触に違和感を持たないのが特質でもある。

 問題は日本語を駆使する能力が日本政府側の求めるレベルにまでアップするかどうかで、日本語を話すだけでなく、簡単な日本語なら書けて、読めなくてはいけないというハードルはかれらにとって決して低くはない。2,3年で、介護という仕事をする前提で、外国語をマスターできるわけがないと私は思う。

 ただ、彼らの目的は、日本で稼いだお金を親元に送ることにあるという点では、フィリピン人もインドネシア人も同じ。いずれ、かなりの数が日本人男性と結婚することになるだろうし、子供を生みもするだろう。


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