アメリカ体験記20 「ポトマックリバーの桜」

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桜
 (写真はポトマックリバーの桜)

「アメリカ体験記」 その20 「ポトマックリバーの桜」

 アメリカの首都、ワシントンDCを訪れたとき、1912年に友好親善を兼ね、東京市長が苗木を送ったのがもとで、日本の桜が都市を流れるポトマックリバー沿いに植えられ、以後季節ごとに見事な桜を咲かせている。桜の女王が毎年コンテストで選ばれてもいる。

 1912年といえば、日露戦争が終わってしばらくしたタイミングにあたる。たぶん、ルーズベルトに頼んで講和に持ち込み、ポーツマスで日露条約が結ばれた恩義に対しての感謝の形をも兼ねていたのではなかろうか。

 DCを訪れたとき、桜が咲いている季節ではなかったが、ふと見てみたい気持ちになって、タクシーを走らせた。

 驚いたのはアメリカ人のマナーの良さで、どの樹木もあるべき枝をしっかり出し、場所にもよるが、川面すれすれに下枝が伸びていたことで、枝を折って持ち帰ってしまう酔客が日本にはけっこういるが、そういうマナーの欠けた人間が一人もいないことを想像させるに充分だった。

 以後、桜の咲く季節に再訪をと希っているが、機会に恵まれず、未だにポトマックリバーに咲く桜を見たことがない。

 人生が終わってしまったわけではないので、まだ希望を棄てているわけではないが、桜の開花期と散る時期とがあまりに早いこと、風雨に弱いこと、いずれの面でも、日本で咲いていようが、ポトマックリバーで咲いていようが、花の性質は同じである。見る機会が生涯のうちに訪れる機会はラスヴェガスで1000ドル儲けるより機会より僅かであろうとは思っている。

DC
 これだけ見事に咲いてくれれば文句はない。


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