アメリカ体験記「ロングアイランドで釣り」

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ロングアイランド

 ニューヨーク支店にいたとき、I君がフィッシングの企画をし、支店社員のほとんどが参加、一艘のボートに二人が乗り、ボートごとに釣果を競うというものだった。

 場所はロングアイランドの周辺海域、釣りの道具はすべてレンタルだが、レンタル屋はボートの舷側に長さをインチで刻んであるのを私たち全員に向かって「見よ」と言い、「吊り上げた魚が5インチ以下だったら、その魚は逃がすように」と指示、釣りが好きで日本でもしばしば釣りを愉しんでいた私はアメリカ人の「小魚は獲るな」との心がけに感動した。

 私は「その21」で紹介したFさんと組んでボートを沖合いに出し、おもむろに釣り糸を投げこむと、餌が海の底に着くや否や、魚信がきて、25センチほどのカレーが釣れた。カレーを釣り上げたのは私だけでなく、おそらく誰の棹にもかかったと思われるほど、当たりを待ってじっとしている時間というものがないほど釣れた。いわゆる「入れ食い」状態。

 Fさんは、「おい、この海底にはカレーが重なってんじゃないか」と笑い、指示された通り、5インチ以下のカレーは海に放り込みつつ、二人はあらかじめ指示された時間まで飽きもせずに、釣りを継続した。

 桟橋に帰着して、それぞれの釣果を秤で計ってみると、圧倒的にFさんと私との釣果がナンバーワンで、優勝ということになったが、訊いてみると、みな釣りはいいかげんで飽きてしまい、持参の酒を呑んでいたという。

 カレーは家庭をもつ連中が分けて持ち帰ったし、どこかの家に招かれて、食べさせてももらったが、どんな味だったかは忘れた。聞くところによれば、カレー釣りを楽しみ、みずから包丁で捌き、料理して食べるのはラテン系のイタリア人かスペイン人だけで、カレーなどを喜んで食う連中は他にはいないという。尤も、だからこそ、海底にはこの魚が重なるように生息していたのであろう。

 一般に、アメリカ人やカナダ人が好きな釣り対象はルアーを使ったバスで、釣ってはリリースする、釣り心地を愉しむフィッシングで、釣って持って帰るのはサーモンくらいである。ただ、サーモンも、釣ったあと、現物を缶詰工場に持っていくと、そこで重さを量り、缶詰と交換してくれるシステムも存在する。一度、その缶詰のサーモンをもらったことがあるが、帰国したあと食ってみると、これがめちゃめちゃの美味だった。

ロングアイランド
(写真はロングアイランド)


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