アメリカ体験記2 「世界は狭い」

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北京飯店


「アメリカ体験記」 その2

  「世界は狭い」


 1978年、日中国交が成って直後のこと、初の中国旅行で北京飯店に泊まり、翌朝、レストランに足を運んだとき、一週間前にアメリカのカンサスシティで世話になったJALのセールスマン、Mさんにばったり。お互いに口もきけずに、しばらくは呆然たる面持ちで互いを見つめあった。(上記写真は現在の北京飯店)


 日本でならというならまだしも、カンサスシティと北京、しかも互いに北京に行くことなど口に出したわけでもない一週間後の出来事である。文字通り「世界は狭くなったね」というのが二人の感慨だった。

 

 一週間前にカンサスシティに降り立ったのもそれが初体験、北米の真ん中にある、田舎臭い町で、空港に着陸態勢に入ったとき、パイロットが「左側の窓を見てください。コヨーテが走ってます」といったアナウンスがいまだに耳に残っている。


 ただ、日本から持ち込んだ文庫本を空港からホテルまでのタクシーのなかに忘れ、後刻、フロントから「タクシーの運転手から本が届けられていますよ」との連絡があり、以来、私はこの町が好きになった。


 その後、Mさんには一度として会わぬまま、音信も切れて、今日に至っている。


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