アメリカ体験記「アメリカの映画」

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 ラスヴェガスでのこと、ある日、友人に映画館に連れていかれ、「マトリックス」を上映している映画館に入った。一人10ドルだったと記憶しているが、それは友人が払ってくれた。

 館内は満員状態だったが、上映が始まって5分も経ったころ、「詰まらない映画のようですね。出ませんか」という友人の言葉に救われた形で、私も即座に席を立ち、館外に出た。周囲の人々は「始まったばかりなのに、出てしまうのか」といった怪訝な面持ちだった。何が詰まらないかといえば、内容が明らかに荒唐無稽で、真実味の欠落した、「スパイダーマン」も例外ではないが、このような映画を喜ぶアメリカ国民のIQの低さを見る思いがした。

 私はむしろ欧州の陰影に富んだ、いずかといえば、暗い印象の映画を好んで見る。

 最近、知己から贈られた古い映画、「第三の男」を自宅で愉しんだが、チターの音色が内容よりも世界的に流布し、メロディーだけは昔のままという印象で、暗い画面に合致していたように思う。

 例外はあるものの、アメリカ映画を見ているとバカになるが、西欧の映画を見ていれば、人情の機微にも、人間の性悪さにも触れることができ、人間の本質に迫ることが可能だというのが、私の個人的な評価。


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