アメリカ体験記「低所得者向けサブプライムローン」

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低所得者層向け住宅地

 ここ数年、私は何度かアメリカのネヴァダ州に足を運んだ。

 友人家族がラスヴェガスの隣の町、ヘンダーソンに住んでいるからだが、訪れるたびに周辺の敷地が造成され、造成地区は拡大され、新しい住宅がどんどん建設されていくのを当地を訪問するたびに目撃した。

 ラスヴェガス周辺では、増えていく建造物は上記写真にあるようなちゃちな住宅ではなく、150坪から200坪はある大きな屋敷ばかりであり、日本の戸建て住宅とは雲泥の差があった。友人の話では、ラスヴェガスが急に人気となり、あちこちからヴェガス周辺に転居してくる人が増えているとのことで、彼らが住んでいる家も年々価格が上がっているということだった。

 ところが、二度、三度と訪ねるうち、「For Sale」の家が増え、彼は家が最も高い価格で売れる時期を逃さず売り払ってしまい、同じ地域の同じ規模の家を賃貸した。

 するうち、戸建ての住宅がネヴァダのみならず、カリフォルニア、フロリダにも拡大し、膨大な数の住宅建設が始まった。上記にある安物住宅はおそらくネヴァダ以外の地区に建設された文字通り「低所得者向けの住宅」であろう。

 友人が住むあたりの住宅は質が高く、プールもあったし、庭も広く、バーベキュー用の設備もあった。とはいえ、サプ・プライムローン焦げ付きの煽りを受けたか、ヘンダーソン地区の住宅も急に価格が落ちだし、1年前、友人は安くなった住宅を再度買いに出、同じ規模の家に住みながら、価格にして1千万円ほどを浮かすことに成功したものの、以後、住宅価格はさらに下落している。

 仕事もあったりなかったりするアメリカの低所得者向けにローンを保証する機関が存在すること自体、私には不可解というしかなく、支払いに難渋することは見えていたはずで、ユダヤ系の金融関係者が現在見られるようなドジを踏むとは慮外のことだった。ただ、保険的な意味での、ヘッジの上にさらにヘッジをかける複雑な機構が焦げ付きの実態、真実の損害金額を把握することを困難にしている。

 天下のシティ・バンクやメリル・リンチ、バンク・オブ・アメリカが膨大な焦げ付きから負債を背負うことになった事実、オイルダラーにバックアップしてもらっている事実に、アメリカの意外な甘さを見た思いがする。とはいえ、この住宅建設に色気を見せ、資金供与をしたのはアメリカの金融業者だけでなく、EU諸国から日本の金融機関までが絡んでいたことを知るにおよんで、茫然たる気分に陥ったのは私だけではないだろう。フランスを代表する銀行が倒産に追い込まれたニュースまで流れている。


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One Response to “アメリカ体験記「低所得者向けサブプライムローン」”

  1. みき より:

    納得です

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